発達障害がなんかやる

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「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」感想記事

 どうも、スリム侍です。

 今年の初め、アカデミー賞を取って話題になっていた通称「エブエブ」こと「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」、当時から気になってはいたのですが劇場で見ることは叶わず、配信(Netflix)に乗ったおかげで鑑賞できたので、今回は遅ればせながら「エブエブ」の感想記事。

 

いつも通りガッツリではないにせよ「ネタバレ込み」の記事なので「これから見よう」と思っている方は見た後で、「見るか悩んでいる」という方は気にしないなら、読んで頂けると幸いです。

gaga.ne.jp

それでは以下本文。

 

 

 さて、とりあえず鑑賞するに当たって自分が持っている前情報としては、

1:アカデミー賞取ったよ!

2:アジア系女性が主人公だよ!

3:「多元宇宙」を扱った作品だよ!

かなり粗目でフワッとした情報しかない…のですが、この中では3が特に自分の興味を引いたポイントで、MCU*1や、MTG*2等、私の趣味の中で「多元宇宙」はよく出てくるワードなので、押さえておきたい作品でした。

 

 

 なのでまずその点について、つまり多元宇宙の取り扱いについての感想を述べるなら、まずは「解釈、設定が面白い!」そして「そこへの繋げ方が上手い!」の2つ。

 1つ目はタイトル通り「全てが今ここにある」という解釈が「並行して、同時に独立して存在する」という今まで慣れ親しんだマルチバースとは少し違って感じられたので新鮮だった事。数ある宇宙間でのアクセスが各個独立した世界同士のそれよりも、シームレスでスピーディに展開されている点が、アクションと相まって最高!代わる代わる展開されていく多様な宇宙に最初は混乱するかもしれませんが大丈夫、全てを理解する必要はなく、波に呑まれるような感覚で楽しめました。

 

 2つ目は「あの時ああしていればどうなっていたんだろう」という素朴で、みんなが一度はふと思ったことが有るような考えを「多元宇宙」という現実離れした概念への入口として巧みに組み込んでいる所!

「今、右手を上げるか左手を上げるか…」とか細か~い話ではなく、選択の積み重ねの先の結果として存在するいろいろな自分…が同時にある!めちゃくちゃきれいな導入で、恐らく今まで見聞きした多元宇宙、並行宇宙の知識をすべて忘れたとしてもわかりやすいだろうなぁ、と思えるいい導入でした。

 

 

 そして、映画全体の感想を述べるなら、微妙に悪い家族仲と差し迫った現実的な問題、祖父と孫という離れた世代とその価値観の間で板挟みになる主人公…と最近の作品としては王道。ただそれはいい意味でわかりやすく、この映画全体を振り返ると「物語が動き出すまでの導入パートがもの凄く短い」のですが、それはこの「王道」をうまく利用しているからとも言えそうです。

 

また、随所に出てくる下ネタ的な演出も「倫理観を喪失したヴィランであるとか「極端に変なことをする事でジャンプする」という設定のおかげか、一切「悪趣味」とは感じなかった事も、今思うと少し意外なポイント。普通「ディルドで人を殴り倒す」なんてことをやっても許されるのは、B級映画か大人向けの少しブラック寄りのコメディ映画だけ…だと思うんですけど、その嫌味が無かったのは凄い話で、これも演出の巧みさだと思います。

 

 

 さて、最後に総括しておくと、まず聞きなれない「多元宇宙」というワードに人種やLGBTという要素が加わると、見るハードルとしては少し高そうに感じるかもしれないこの映画ですがその部分への導入は適度かつスムーズで、それをササッ通り過ぎれば待っているのは「家族と自分の人生」に対する、愛にあふれた受容のストーリー

エブリンがこれまでの人生で切り捨てながら掴んできた何かを受け入れ、家族も共にそれを受け入れる。まぁその結果よりそこに至る過程が大事で、この映画の素晴らしい所なのですが…それは是非皆さん見てみてくださいな、損はしないと思いますよ。

 

まぁ、何が言いたいかというと、

エブリンたちは二つの意味でセンタクを受け入れることにしたのでした…。
めでたしめでたし。


お後がよろしいようで!
という事でそれでは皆さんまた明日~。