どうも、スリム侍です。
私が以前から好きと言っていた映画「グレイテスト・ショーマン」余りにも好きすぎて定期的に見返しているし、なんならもう感想記事を書いたつもりでいたのですが確認してみると記事が無くて驚きました。
なので今日は「グレイテスト・ショーマン」(通称グレショ)の感想記事!
ただ、記事本編に移る前に注意点が二つだけ。
1つ目:「『グレイテスト・ショーマン』という『映画』の話をします」
実在の人物を題材にした作品だという事は知っているし多少調べもしましたが、今回、基本的には一旦それはわきに置いて話しますので、皆様も同様に聞いて頂ければと思います。
2つ目:「はじめに」以降は「ネタバレを含みます」
基本的に内容も「見た人向け」で、特にあらすじの説明等はしないつもりです。
ただ、既に6年前の映画ではありますが(自分も20年以上前に公開された「マトリックス」を最近まで見てなかったですし)作品との出会いも一つの巡り合わせなので「見ていない人もいるだろう」とは思っているので、まだ見ていない方で「ディズニー+」に入っている方は、是非見てから読んで下さいね。
(入ってない人は… 入って、見て、読んで下さいね!)
それでは、前置きが長くなりましたが本編へ。
★はじめに。
まず最初に、私はこの映画について控えめに言っても「誰が見ても良作」で、100人中100人でなくても、90人ぐらいは良いと言うんじゃないかな?と思っています。
物語全体を彩る音楽は実際に賞も取っているし、大ヒットと言っても差し支えない興行収入や動員数もシンプルに凄い。ミュージカルが嫌いとかでない限り、見始めればある程度は楽しい事でしょう。
でも、良いといった90人の中でも更に少ない一部の(誤解を恐れずに言うなら)「私達」にとってこの映画はそれ以上の価値があって、それ以外の他人が一切この映画を知らなかったとしてもそれは変わらないだろう、と言うのは初めて映画館で見た時から一貫して感じています。
解釈は任せますがそんな「私達」の仲間でまだ見てなかったなと言う方が居れば、この記事が届いて、読んだ後にでも見るきっかけになればとても嬉しいです。
★主役のバーナム、その所業について。
さて、見た人ならおわかりでしょうがこの映画はどれだけ素晴らしい音楽や美辞麗句で飾り立てようと「奇形・障害・被差別者を売り物にしたサーカスを作った男の映画だ」と言われたら(史実を抜きにしても)認めざるを得ないし、それを感動的に描く事を批判する人の気持ちも少しはわかります。
ただ、その批判は団員の皆に「ただ笑われ、隅に隠れている存在のままで居ろ」という事と同義だし、彼は(当然悪い所も有れど)良い支援者だったと私は思います。
当然「差別や偏見に晒されず、社会の一員として対等に振舞える」というのが理想だし、そうなればそれは素晴らしい事ですが「実際はそうじゃないじゃん」というのが正直な所で、急に明日、世界や社会がそうなるなんて事もありません。(だってあの映画の時代から200年たった今でも…ね?)
そう思うと、バーナムがスカウトしに行ったトムに「笑われるさ」と言われた時「笑われなくなる」ではなく「それでも金は稼げる」と言いますが、それは時代の事を考えても「妥当な落とし所」でしょう。(社会モデル的な考えに照らせば一つのバリアフリーでは?とすら思う)
「笑われる/目を背けられる」場所から「笑われつつもお金を稼げて、日の当たる」場所に歩を進め、それに対する反発・差別・偏見に晒されることにもなりますが、団員の皆が各々の家に引きこもったままならそれもなかったでしょう。
私は、ここから「Come Alive」までのシーンを何度も見て「明日理想に辿り着かなくても(行動を起こせば)今日よりはよくなるのかもしれない」なんて感じながら、勇気をもらっています。
★パワー溢れる団員達と素晴らしい楽曲。
さて、お次は私が大好きな団員達と音楽について。
「Come Alive」や「This is me」に「From now on」、迫力ある楽曲と共に繰り広げられる彼らの演技の素晴らしさたるや…!私がどれだけ稚拙な言葉を尽くしたとしても語り足りないぐらいです。
特に私が好きなのは「This is me」、その中でもトム将軍が歌に入ってくる「Another round of bullerts hits my skin」の所から、パーティ会場と群衆の中を突き進み次の「This is me!」までのシーン。
曲全体で今まで受けてきた仕打ちや、現在進行形の絶望感をしっかり伝えながらも、それ以上に伝わってくるのは抵抗と自立の意志。(曲終盤のゼンディヤとザックエフロンのやり取りもそう)ここでの決別が有ったからこそ「From now on」でバーナムと団員たちは手を取り合えたんだと思っています。
他には「Come Alive」の途中、ステージに飛び出す団員たちの中でリーズ卿(太った男)が松葉杖の少年を見て胸を張るシーンも大好き。
騒然としながらも奇異の目を向ける群衆に囲まれ、彼も全力で胸を張れたわけでは無いはず。その「少しおびえた様子で何とか胸を張っている」様子(を表した見事な演技)は「何とか勇気を振り絞って胸を張ったのだ」と彼のこれまでの人生に質量を持たせているような気がします。(私個人が太ってていじめられていたのも、彼の人生に思いを馳せる要因になっています)
後は歌詞の話ですが「From now on」の「When we will come back home.(×2) Home again!」の部分を聞くたびに「This is me」の「I know that there’s place for us」が脳内に舞い戻り「Place for usが見つかったんだねぇ…!」と毎回泣いてしまいます。歌詞とか歌詞とが呼応してのダブルパンチはずるいのよ…。
★最後に。
さて、いつもの数倍文字を書き、少し疲れましたがそれでも語り足りない…!
しかし頭は徐々に回らなくなってきたので、ここらで筆をおく事にします。
総合して言うなら「難しい題材を素晴らしい音楽とテンポのいい構成(+恋愛要素)で上手く娯楽に落とし込む事で誰でも楽しめるし、見る人によっては見せる側面を替える素晴らしい映画」です。
もし見てないのに、ここまで読んだ人、見てください。
見て良かった!と思った人、是非私と話しましょう。
コメント欄でもTwitterのDMでも、私はいつでもウェルカムです。
見たけど刺さらなかった人。そんな方も良ければ是非お話を。
どの辺が刺さらなかったのかとか聞いてみたいですし、もしかしたら障害福祉についての有益な話ができるかもしれません。
常々「あくまでそういう性質を持つ一個人です」と言いながら「私達」という言葉を使いましたが、快/不快に関わらず「見る意味もない」という事はないと思うので是非。
それでは、今回も読んで頂きありがとうございました。
(今日はいつもより長かったからなおさらですね)
皆さんまた明日。