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「アラビアンナイト 三千年の願い」感想

 どうもこんばんは、スリム侍です。

 今日は色々な用事が上映時間と上手くかみ合ったので、映画館でアラビアンナイト 三千年の願い」を見てきました。

是非皆さんにも見てほしいので、特にネタバレ無しでの感想です。

 

 

★あらすじ

物語論」の研究者で、講演の為イスタンブールを訪れたアリシアティルダ・スウィントン)は、お土産として青い縞模様で装飾された小瓶を買う。翌朝、小瓶を洗って(磨いて)みると小瓶から煙が噴き出し、その煙は巨大なジンイドリス・エルバ)に早変わり。「3つの願いを」と問うジンを数多の物語の結末から信用しないアリシア。信用を得るためジンは小瓶に囚われるに至った三千年の物語を語りだす…。

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★感想

 というわけで、今作は普段物語の登場人物で、語られる側のジンが語り部。それに学者のアリシアが初めは学術的な興味から耳を傾けていく、というちょっと不思議な映画。ジンの語りはシバの女王とソロモン王の物語から始まり、その時点でメギドプレイヤーの私はワクワク。怪しげなソロモン王が一人音楽を奏でるシーンはとても魅惑的で、時代をまたいで3度囚われたジンのエピソードはどれも同様に神秘的でした。

きっとどこかにはアリシアが疑う通り「人をだます悪いジン」もいれば、恐らく世界一有名なジンのように「底抜けに陽気なジン」もいるのでしょうが、今作の主人公である彼はとことん誠実でそんな彼が語る3つのお話はただひたすら悲哀と人への愛に満ちているように感じられました。お話自体や映像表現が素晴らしいというのは当然ですが、それが魅力的に感じられるのは、やはり語り部、ジンを演じるイドリス・エルバさんとアリシアを演じるティルダ・スウィントンさん、お二人の演技あってのこと。字幕版だったこともあってダイレクトにその感情が伝わってきました。

 

 そして個人的にとても印象に残った事、それは二人とも「美」すぎないか?!という事。作中でジンがシバの女王「美しいのではない、美そのものだった」と形容するシーンが有るのですが「いやいやいや!お二人も相当ですよ!!」と称賛の拍手を送りたい、今作はそんな「美」と「美」の共演。ティルダ様が「美」であることは、ニューヨーク現代美術館に展示が許された事からも周知の事実なので、今日はイドリス・エルバさんの「美」について重点的に話したい所。過剰に鍛えた結果の「肉体美」ではなく、力強く整ったその肉体の美しさは「炎で形作られ、3000年を生きてきたジンの肉体」として1000%の説得力を発揮しており、お話の中の時代設定的に上半身裸な事が多いのもあって、とてつもない存在感。その結果「最強のほこ」と「最強のたて」がぶつかるとどうなるの?という質問に対して「極大エネルギーの衝突によって世界が消滅する」なんて返すことが有るように「最強の美」と「最強の美」がぶつかり、そして「愛が生まれ、その余波で私が消滅する」という結果になりました。是非もっとやってください。

 

★最後に

 そんな美と美の共演で紡がれる、愛と教訓の物語。最初にのせたパンフレットはとても装丁が豪華で、小島監督とのオンライン対談の全文やキャストコメント等、内容もボリューミー。2月公開の映画なのでもう結構少ないですが、もし公式サイト確認の上、お近くで見ることができるなら見に行ってパンフレットの購入もお勧めです。

www.3wishes.jp

 

 それでは今回はここまで。今日も読んで頂きありがとうございました。

 皆さんまた明日。